DIYにはシミュレーション
DIYとはどういった類のものなのか。それはシミュレートしていくことが必要ですとのこと。PCを買うときも、メモリを足したり、SSDにしてみたりといろいろと設定してみては、あぁ高くて買えないなと。そこで買えないことが問題ではなく、シミュレートしたことで買えないということがわかったことが大事。このシミュレートがないとDIYできないと。
1日の組み立てをシミュレート
そして、次のチャプターでは、一日を組み立てる上でのさまざまなツールが出てまいりました。まずはGoogle Calendar、これはみなさんよくご存知ですね。どこまで細かく分けるかは人それぞれではありますが、2,3時間単位でその時間帯がどういった種類のことに使う時間帯かを明記していくのはいいと思います。そして、その境目で自分の気持ちをリセットしていく、リフレッシュしていくように心がけるとずっと同じことを続けるようになって閉塞感を感じることはなくなるのかも知れません。
次は私にとっては懐かしのxfy Plannerが出てまいりました。β版の時によく使っておりました。知らない方向けに説明いたしますと、ジャストシステムにて開発されましたXML技術を基盤としたxfyというエンジンで、プラグイン間におけるデータ連携が容易にしてある一連の製品シリーズにおけるタスク管理のためのソフトです。デイリータスクリストやガントチャートなども同じデータを共有しているので、プラグイン(リフィル)を追加すれば簡単に表示できます。なるほど、これでもシミュレートしていくのですね。TamaというWindowsのソフトはしりませんでした。てか、これすごいね。すごい商売になっている。佐々木さんはこれらを使って、Toodledoでミクロを、その他のでマクロなタスクの管理をしているのか。家計簿も1年間分シュミレーションとするのか。
Toodledoでシミュレート
おなじみの"Toodledo"が出てきました。さらには、平田篤史さん(@hira_a)謹製の終了時間算出ブックマークレットが紹介されました。すごい!思わず、平田さんに打電してしまいました。これには、平田さんも大喜びです。なにせ…
会場の皆さんの反応は、Todo管理であるということよりも佐々木さんの全活動が記載されているという事に注がれていましたが。そもさんせっぱ、佐々木さんのようにフリーランスであり、時間に換算される労働でなければ、仕事とプライベートの境界はひどく曖昧であり、それぞれの影響が及ぶ事しきりでしょうから、これだけと区切るのは難しいのでしょう。もちろん、その粒度をどのくらいにするかは人それぞれではありますが、GTDの考えに沿うのであればタスクは行動可能な事象にまで落とし込むべきなので必然と歯磨きや子育ての類も含まれることになるのだと思います。
これを佐々木さんは「不安」であると表現していましたが、それは翻って家族に対する強い「責任感」と家族と一緒の時間を作るという願望ではなく強い「意志」の表れだと思います。ひょっとすると、佐々木さんの「不安」を知っているのは、ToodledoやGoogle Calendarだけなのかもしれません。少なくとも、ご家族の方に間違って「弱さ」を見せるようなことはないと思います。例え道に迷うことしばしばだとしても、それで奥さんが頼りないと思うことはないのではないでしょうか。また、どのように想像すればいいかわかりませんが、「甘え」ることも時にはあるとは思います。
完成した椅子を見て、即座にこれの足の寸法は何cmであり、この背もたれのカーブはR60だなんてことを考える人はいないと思います。同様に佐々木さんの奥方様も、佐々木さんがDIYした椅子の調和した美しさに惚れたのであって、寸法や角度の値に惹かれた訳ではないのです。けれども、佐々木さんは奥さんとお子さんの身丈や体重を入念に考慮し、寸分の狂いなく作ることを心掛けているのです。
気分のシミュレート
これぞ、正しく佐々木さんですね。ハッと見ましたときは、数字が並びたてられ、そういうことするのはむりがあるんじゃないかなとおもわず思ってしまったのです。けれども、確かに佐々木さんは「気分」とおっしゃいましたが、一日のバイオリズムというのを捉えておくのは今この時代むしろ積極的に進めていくべきなのかなと思います。それは大抵の会社員の方は8時間労働という枠に縛られ(人によってはその時間を越えてまで) 、お昼は決まって12時からとるようにと定められて、黙々と従っていることは少なくないことだと思います。しかしながらも、やはり人というのは十人十色であり、必ずしもお昼が12時に食べるのが最適とは限らないと思うのです。それは例えば遠方から出勤する人は朝ごはんは他の人よりも早く食べるであろうし、そうすれば人よりも早くおなかが減ることもあるかもしれない。そういった1時間毎の個々人のリズムにおける微妙なずれというものは、認識しておいたほうがいいのではないでしょうか。佐々木さんの総括では確かに午前に創造的な仕事をし、午後は単調な仕事で、夜はぼちぼちにとなるわけですが、みなさんがそれぞれ計ってみるともう少し違うものが出てくるやも知れません。
実際、私はリズムという点において非常に難儀な体をしております。また、低血圧ということもあるのかもしれませんが、午前中はさほど役に立ちません。ひたすらにぼーっとしております。なので、メールを捌きつつ事務作業をこなすことにしています。そして、昼の時間帯はまるででくのぼうと成り下がります。そして、夜になるにつれてだんだんと調子が上がってくるので、こうしたときにブログを書いてみたり、何か新しいプランを考えたりもします。これで体温と心拍数を計れば厳密にわかるとは思うのですが、このようなこともあるということです。できれば私は血圧も測りたいなと思ったりします。ただ、如何にも重そうなものしかなかったような気がしてとても1時間毎に計れるような気がしませんが。
まとめ
「妄想の補完」
紙の上の、机上の空論から、はみ出した妄想を受け止める器が今の時代にはある。いや、逆に言うと受け止める仮の器がないと実際出来るのかに困ってしまう。なぜなら、潤沢な資金も、疲れない体も、めげない心もどれも人は持ち合わせないのだから。出来ないときがあるということを知ると同時に、出来るときがあるということを知るためにシミュレーションする必要があるのではないだろうか。「限られた資金」と「時に疲れる体」と「たまには泣きたくなる心」にうまくフィットするように、私は起業したり、本を出したり、家族と幸せに暮らしたりといった妄想を現実にすべく、よくよくシミュレートしようかなと思う。もし足りないところが出てきたのなら、それを今から準備しておけばいいのだ。
おまけ
このセミナーの資料を集める中で気付いたのですが、私の顔が丸出しになっているのがありますね。時には登壇者の方よりはっきりと。えぇ、問題ありませんよ。惚れる人がたくさん出てこないかが心配です。
それと、今回はライフハッカーさんの主催という事で、関わりの薄い佐々木さんのよくお知りの方は自分しかいなかった様です。という事で、空いている時間のうち、ほとんどをお話して過ごす事ができました。
Togetter - まとめ「LIFE = 「DIY」~人生はDIYするしかない」
ライフハッカージャパンの記事で、佐々木正悟さん(@nokiba)が登壇なされるセミナーがあるのをたまたま見つけて、すぐに申し込んでみました。抽選になりますよというお触れがついておりましたが、ものの見事に当選いたしまして、25日に続きましてお話を聴いてまいりました。場所は赤坂ガーデンシティの最上階?18Fにあるブロガーズ・ラウンジでした。こちらがなんともハイソな雰囲気でして、居心地いいのか、なんのやら。
着いてみると、まず目に飛び込んできたのが@Sayobsさん。うん、満面の笑みでした。なんというか、犬がご主人様を見つけたような…あぁ、でも私がご主人と言えるような大層なものでもありません。何はともあれ早速こちらの名刺と本を交換いたしました。こちらの献本いただきましたものについては、既に読み終わっておりますので、後日書評をブログにアップさせていただきたいと思います。総合的な感想としては、楽しかったですよ、総合的に見ればね。しかし、自分自身もなにかアウェー感を感じれずにはいられない、なんとも心細い気持ちを持っておりました。心なしか、女性が前回よりは多い?Geekな空気を感じられない?カメラ小僧(いや、女史もまた)が多い?まぁ、今は目の前に集中しましょう。
DIYとは?
言わずもがな、"Do it yourself"、「あなた自身でそれをする」。狭義で言えば、日曜大工であり、完成品を買うのではなく、材料、道具を自分で準備して組み立て用意することです。大工さんを相手に商売している私の親父殿は必要に駆られる部分もありつつもこれが好きでして、よく休みになれば作っていたものです。今、うちにある本棚も手製でして、漫画がきれいに収まるように作ってもらいました。DIYの意味を聞いたのも、親父殿からでした。
では、なぜ今回のお題が"Life = DIY"なのか。つまるところは人生は人に委ねることではないからでしょう。面白いからとか、他人に任せるのが申し訳ないからとかではなく、自分で紡いだ叙事詩でなければ人生とは言いがたいでしょう。日常の瑣末な事柄も、一生をかけた壮大な物語も、あなた自身が動かなければ始まることはないのです。では、へたれの座り心地悪き椅子よりも、玄人顔負けのあなたのための、あなたにあった、世界唯一の椅子を作る方法を知ろうではないでしょうか。
林信行さんのDIY
どちらかといえば、文具王のベルクロをPCや車のダッシュボードにつけるというのに、思わず膝を打ってしまったのですが。でも、プレゼンの仕方に「上手いなぁ」と感心していました。例えば、「2」と大きく出してから、それが何なのか説明したり(ガイ・カワサキ氏の手法かな)、すっきりとしたスライドにいやらしくない程度のアニメーションを散りばめる。見習うべきですな。LiveScriveペンは懇親会の時に実際に使わせて頂いたのですが、文字の認識能力は格段に高かったです。私の達筆すぎる趣きの文字もなんなく判別してくれました。
林さんにとってのDIYとは、ちょっとした機転によりなされるもの。無駄をなくしていき、シンプルを志向していくことを旨としています。確かにカスタマイズとは、何かを足していくことだけではなく、不必要なものは削っていくこともまた示すわけですから、当人にとって無駄と感じられる部分は減っていくわけです。そして、当日はいろいろとネタを仕込まれていたために大仰なキャリーバックにて参加されていましたが、本当は持ち物はなるべく絞っていきたいとのこと。そして、なんでもないことでもあなたにとってちょっといいことになる工夫をしていけばいい。なにか、ロッジハウスを作るのではなく、鳥小屋を作るところから始めましょうってところですな。(冒頭にて、DIYなら突然ロッジハウスを作り始めた友人に頼めばいいのにと言ってましたので)
澁谷さんのDIY
早い話が自社の製品の宣伝でした。ただ、長期間固定の生命保険だと、無駄な時と不足している時が現れるので、単年度更新にしてそれらを無くしていきましょうというのはなるほどと思いました。でも、個人的見解では保険というのはギャンブルであって乗るかそるかは人それぞれなのかなと思っています。結局は不意に発生する事柄に対して、対応できればいいのだと思います。それは別に佐々木さんみたいに印税で稼ぐような状態になってしまえば、対応できる事柄なのではないでしょうか。保険を払わない分で、必要な金額のうちいくばくかは貯まり、あとは収入がその分を上回れば恐れるに足らず。ま、そんな生活ができたらいいですねという話です。
ところで、下のようなツイートをしたわけであるけれども、これはもちろんその場にいる人にしか分からないと思うが。
どういう状態だったかというと、澁谷社長は書見台より少し前に出て、プレゼンの操作は若手の方がしていた。後半、自社のホームページの紹介をしていたんだが、うまく意図する操作が出来ずにその他の一緒に来場されていた方が入れ替わり助けに入るシーンがあったわけだ。助けに入ること、それ自体を非難するつもりはないけれども、そのたどたどしさはプレゼンのすごさを下げてしまうことには変わりない。事前に録画しておくことやクリックする箇所まで厳密に決めておくことをお勧めする。また、前半のスライドを流す際にも、澁谷社長の口頭の指示にてめくっていた。もし、新しいもの好きを自負するのであれば、「プレゼンテーションZen」を読んで頂き、林さんの紹介されていたiPhoneでの操作やもしくは専用の操作端末を用意して自らで実施していくことをお勧めする。
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澁谷社長はサーヴァントリーダーシップであることを説いておられたが、それは山本五十六の格言とは少し趣きが違うのかと。「やってみせ、言って聞かせてさせてみて、ほめてやらねば人は動かじ」というのは、人は怠惰であるということを前提としているが、サーヴァントではついてくる人はあらかじめ動き出しているものだと見ていると思う。どっちも正しくあり、どちらかといえば先に山本五十六の如きことをして各々が動き出してからはサーヴァントにてリーダーシップをとっていくというのがとりうる戦法かと。戦法と述べるのは、Mっ気があるのどうのという実行者の気質に基づくわけではなく、リーダーとしての俗事への労力を最小化するという話では、大枠の環境を作って方向性を定めておけばあとは勝手にやってくれることを狙っているからだ。
その他もろもろ
後半、懇親会ということでRockaku森田さん(@Rockaku)のお茶漬けが、具は自分で選んでくださいねというのをDIYしてくださいねというしゃれっ気にて振舞われました。ちと恥ずかしながらも、自分がDIYしたお茶漬けを写ツイしたらライフハッカーさんに拾われてしまった。いや、ハッシュタグつけてるから拾わないでよ。しかし、具にはうなぎの蒲焼きやら、サーモンやら、明太子やら、とそれこそ種類豊富であり、何度でも堪能したかった。なおかつ、ビールも出されてしまったので、さほど強いわけではないのでそこかしこで飲むようなことは避けてはいるのだけれども、思わず1杯頂いてしまった。

ちなみに同じタイミングで会場に到着して、同じテーブルに座られた女性の方は、Moleskineの輸入代理店の方で佐々木さん(@nokiba)さんや堀さん(@mehori)さんをよくご存知のようでした。Moleskineの手帳に何種類かあるのは知っていましたが、ついぞ調べたことはなく彼女のかばんからあれよあれよと出てくるのを見るのは楽しかったです。大きいファイリング用のから、小さい名刺入れのようなものまであるのですね。Passionシリーズ知っていると話したら驚いていました。きっと堀さんのMoleskineに対する愛は偉大だということでしょう、周りが感化するくらいに。
そして、ほかの人と交流しようかと思ったのですが、なにか混じれないものを感じまして。途中、ハッシュタグでつぶやいている方も思いのほかは少なかったので違和感を感じていたのですが。ま、それもひとつありなのでしょう。というより、前回のが少し別格であれほどtsudaるだけでなく、議論が交わされたのは珍しかったのかもしれません。(元はその意図がなかったのですから) されど、収穫はありつつ帰宅の路へとつきました。えぇ、ここまで書くともう「組み立てナビ」のレビューは面倒なので、やりません。ちょいとやっては見ましたが、あれは将来の子供が出来るやらは入力することは出来ないのでしょうか。だとしたら、独り身の私では、大して考慮する要素のないつまらないものしか浮かび上がってこなかったのですよ。
では、佐々木さん編もまた長くなること請け合いですが、次回をこうご期待です。